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2011年2月

2011年2月26日 (土)

設計者は本当に専任者向けツールを使えないのか

前回はCAEツールは簡単になってきた、と言うことを書きました。

CAEソフトを駆使できることが、最新のソフトではCAE技術者のアドバンテージではなくなってきています。

でも、物理現象を再現するような本格的なシミュレーションは、やはり昔ながらのオペレーションが難しい本格的なソフトでなくてはいけない、という信仰もあります。

まあ、それは確かにいえないこともありません。

それはそれとして、では本格的なシミュレーションソフトは設計者では操作不能なのでしょうか。

私の体験からいうと、不可能ではありません。

一つ目はPatranをした例で、これが私が設計者に教えました。

その設計者の仕事は、当時材料物性の最適化が課題だったので

あらかじめモデルは私が作成して渡しておいて、彼には物性値の変更方法のみ教えました。

その仕事はうまくいったので、次に形状の簡単な変更方法を教えました。

そうしていくうちに彼は仕事に必要な部分だけをマスターして行き、

設計者の身分のままで、シミュレーションによる構造最適化手法の特許を申請するまでにいたりました。

この事例の特徴の一つ目としては

最初にモデルのテンプレートを渡してそれを改造することから始めている

ことです。

CAEモデルを設計者が1から作るのは難しいのですが、

作ってあるものを改造するとなるとかなりハードルが下がるはずです。

特に、メッシュ作成はCAE技術特有のノウハウが必要なのですが、その部分を作ってあげると、

他の部分(物性や境界条件)は以前書いたように設計技術と関連が深いので、きちんとした設計者であれば理解できます。

もう一つが、

必要な部分のみを教える

ということです。

特に汎用系のCAEソフトは多機能です。

プリポストもソルバーにあわせてできることが多いのは良いのですが、

ほとんどの人はそんなに多様な使い方はしないはずなので、余計な機能となってしまい、混乱させる要因になってしまいます。

そこで、理解しているCAE技術者が設計者の意図を汲み取り、必要な部分のみ教えていくことが重要です。

(実際CAE技術者が教えると、すべてのことを教えようとするあまり、逆に設計者は非常に難しいと言う印象だけ多く残ることが多いと言う話もあります。。。)

2011年2月21日 (月)

CAEソフトウエアは使い勝手が向上しています。。。

今回からは解析者にできて設計者にできない仕事のうち、

2.シミュレーションソフトのオペレーションができない

を考えてみます。

ただし、CAEソフトのオペレーション方法やUFには、

ソフトベンダーの努力により、だいぶ改善されてきていると思っています。。

一つはCADのCAE機能が充実してきたことである。以前からIdeasやPro-Engineer、Solid WorksなどのCADには解析機能がオプションとしてついていたが、使いやすかったとは言えませんでした。

それがこのごろは、簡単な線形解析であれば3D-CADでできるものも増えてきてます。

CAEベンダーもそれに対抗して、ANSYS社のWorkbenchをはじめ3D-CADと連携させたツールを進歩させてきています。

やはり解析担当者相手にビジネスするより設計者相手にビジネスした方が利益が大きいので、”CAEツールの設計者向け化”はどんどん進んでいくと思います。

ところで、この”CAEツールの設計者向け化”とは何でしょう?

今思いつくのは2点あります。

ひとつは形状モデルは3D-CADで作成したものを用いる点

もう一つはユーザーインターフェースの簡素化

だと思います。

旧来型のCAEのプリプロセッサーソフトはソルバーの入力データ(例えばNastranの.dat/.bdfやABAQUSの.inp)ファイルを作成する補助プログラムでした。

よって、基本的にはソルバーのことをよく知らなくては操作できない仕組みになっていたと思います。

つまり、ソルバーに準拠することがプリプロセッサーにとって重要だったのです。

この頃は、まだCAEを行う人が特別知識があった人なので、それでまったく問題ありませんでした。

しかし、最近はCAEの詳しい知識がない一般的な技術者でも一通り解析できる仕組みを作ることが重要になってきています。

弊害もないわけではないのですが、3D-CADが直接読み込めて、
その後の設定も簡単なものとへ、と言う流れは当然だと思います。

また、以前から伝統的に続いてきたソルバー準拠中心のインターフェースが見直されてきていることは良いことだと思っています。

そのことによりソフトのオペレーションを専任にやってきた技術者は仕事が危うくなる可能性が高くなってきていることも確かでしょう。

今までは専任者しかできなかった設定がいつのまにか新しいツールが出て、通常の技術者でも簡単にできるようになってきています。

ただし、ソフトのオペレーションを専任でも生きていく道はないわけではないのですが、それはまた後ほど書きます。

2011年2月17日 (木)

ここに引っ越してきました!

goo,SEESAA,Yahooに点在していた記事を一つにまとめました。検索する人は便利かも(いるのか?)。これからもよろしくお願いいたしますm(- -)m

2011年2月13日 (日)

CAEは設計検証できますが問題点発見は難しいです。。。


前々回、前回でのべたことをまとめると、

-CAEを行うためには問題点抽出が必要

-問題点を抽出する仕事は設計者の仕事

ということです。


しかし、問題点抽出は非常に難しい仕事です。

たいていの製品開発はどこかでFTAやFMEAやそれに類似するレビューを行っているとは思うのですが、

それこそ技術的経験がないとあらかじめ不具合をつぶすと言うのは相当難しいです。

そこで、CAEにお願いして、なんとかしてもらおう、ということで、解析依頼する方が多いと思うのですが、

残念ながらそれに対してCAEそのものだけでは答えを出すことはできないでしょう。


経験豊富なCAE技術者の中には、こういう依頼にきちんと対応できる方もいます。

そういう方で、私が知っている多くの方は、設計者から話を聞き、自分の中で不具合原因を検討し、解析を始めます。

結果レポートを見るとCAEで原因が突き止めたような形になっているのですが、

実際は解析者がこれが原因と言うことを決めから、そのシナリオに合うように、解析結果を出していると思います。

よって、それはCAEによって客観的に判断されたと言うより、CAE担当者が主観的に出した結果と言った方が妥当といえるかも知れません。

「それはCAEの結果としてインチキではないか」と言われる方もいるかもしれません。

CAEを頼んだのに、私見でないかということなのですが、私はそれはインチキではなく、正しい道だと思っています。

CAE屋さんではなく、機械設計コンサルタントに頼んだと思えばよいのです。

実際、優秀な「CAE技術者」と言われている方は、CAEのみの技術者ではなく、
広く機械設計技術に精通した「機械設計コンサルタント」と呼んでいいと思いますし、実際そうだと思います。

でも、設計開発者であればそのようなコンサルタントに頼まなくても、キチンと設計問題点の抽出ができるようならなくてはいけないと思います。

そうすれば余計なCAE技術者とよばれる機械設計コンサルタントは要らないのです。
(もちろん設計するときは多くの方の意見を聞いた方が良いというのはありますが、基本として。。。)


設計開発者が製品に関する勉強がきちんとできていれば、問題抽出ができるはずです。

問題抽出ができれば、モデルの条件設定(解析方針)を立てるのはそんなに難しくないです。

この点設計者ができればCAE屋さんはこの部分では不要になります。

CAE屋さんにとっても別の仕事ができるので、悪いことではないはずです。。。


ただ、実際は、

設計開発者も素人

CAE屋も素人

という最悪?の組み合わせが少なくないように見えます。

設計開発者はどこが問題点か分からないまま解析依頼をして、

CAE屋さんもあいまいなまま解析を行い、結果はでたはいいが、なぜそうなったかまったく説明できない、

という状況がそうです。

このような組み合わせでCAE解析しても、設計開発にあまり効果が出ませんし、間違ってしまう可能性も高いです。

しかし、たいていはベテラン技術者がレビュー、チェックしていて問題になる前にやり直させますので、問題はそうおきないようです。

まあ、最初からプロはいないので、対策は上記の通りベテラン技術者が一つ一つ教えていくしかないのですが、ベテラン技術者もリストラで減らされ、残っている人も忙しく十分な指導ができるのかが心配な状況になってきたような気がします。。。。








2011年2月 7日 (月)

モデルの問題点抽出は設計開発行為そのものです


前回は、CAEモデルを作成するためには、あらかじめ設計問題点の抽出が必要だと書きました。

また設計問題点の抽出はCAEではないと書きました。

設計問題点の抽出というのは、たとえCAEが設計開発プロセスの中になかったとしても、
行わなければならない行為です。

これはつまり設計行為そのものなのです。

問題がおきそうなところをあらかじめ対処しておいてから設計するのは当たり前の話のはずです。

ところが、当たり前なのですが、実際行ってみると難しいのです。

それはそうです。

実際に物がないのですから、過去の経験と知識によって予測しなければなりません。。。

ここの部分を実はCAEできる、と思っている方が多いです。

ところが、大部分のCAEは新たな設計問題点を見つけることは不可能です。

なぜなら、CAEは仮定や近似が多く、
それらはモデルと現実の差があることを意味しています。

この差は構造系CAEで特に大きいです。。。

よって、現状のCAE技術のみをパーフェクトに採用しても、現実を完璧に再現することはほぼ不可能です。

現実が完璧に表現されない以上、新たな問題点を見つけるのは不可能なのです。

逆にモデル上で見つけた新しい問題点は、解析モデルの依存性(メッシュの設定など)が十分検証されない限りは、非常にに怪しいものだと思います。


現状のCAEソフトは、確認することころを限定しての、チェックツール的使い方がベストでしょう。

もちろん、このチェックツール的CAEの使い方と過去の試験結果を組み合わせれば、十分設計開発に役に立つものになります。

このことについてはまた今後述べたいと思いますが、新しい問題点をCAEで発見するのが難しい以上、

あらかじめ設計開発の問題点はめぼしをつけておく必要があるのです。

それはCAE技術者の仕事ではなく、誰よりその製品に詳しい設計者の仕事のはずなのです。




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