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2010年3月

2010年3月29日 (月)

CAEは”神の予言”はしません!


間が空いてしまいましたが。。。

前回では世間一般でシミュレーションに期待していることすべてがシミュレーションできるわけではない、

ということをいいたかったということなのですが、

ではCAEはどこまで正確にシミュレーションできるのでしょうか。

私が経験してきた構造分野(応力、振動)では、どんな問題であっても、

シミュレーションでは実際の物理現象を100%予測はできないと思っています。

材料力学の例題に出てくるような単純梁の問題でも、どんな部分でも100%あっているかというと、そんなことはありません。

たとえば鉄(軟鋼)で梁を作るとして、そのヤング率は通常210GPaとなっていますが、

炭素の量とか微量成分によって差が出てくるし、

微量成分がまったく同じでも加工方法(圧延とか切削とか)行うと結晶に異方性が出る場合があったり、

それを熱処理して戻そうとすると、結晶粒の大きさが変わってまたそれが物性に影響を与える場合があって。。。

ということで、実際物性値には結構ばらつきがあり、ばらつきを考慮すると何をもって100%予測できたかという定義も難しくなります。

それらの影響は小さいのでは、と考えることもできますが、

限界設計を狙っている現代の設計開発ではこのような今まではちいさなばらつきで済ましていた問題がクローズアップされることになる可能性は大いにあると思います。

もう一つは、理論もいろいろな改定を含んでいる場合があります。

たとえばヤング率にしても、

ある程度のひずみまでは応力とひずみは比例してその比例係数がヤング率で、

除荷すると元に(両方0に)戻る、はずなのですが、

実際に引張り試験などしてみると、たとえ金属でも細かく分析して見ると、

弾性範囲内でもきっちり比例しているわけではない場合も多いです。

(どこまでを”きっちり比例”と言えるのか、というのは人にもよりますし、実験装置の精度の限界もありますが)

究極的には原子レベルのシミュレーションで構造物全体が解析計算できるようになれば、

100%に近いシミュレーションができるのですが、まだそこまで計算できるコンピュータはないようです。

ということで、シミュレーションのみでは100%予測は不可能です。
(もしできたら神の予言ツールです)

シミュレーションを行う人は、どんな問題でもシミュレーションでの100%予測は不可能ということを受け止めておくべきでしょう。


そうでないとシミュレーションでうまくいったから現実も(100%)うまくいくと思い込んでしまい、

あとで思わぬ結果に痛い目にあうことになるかもしれませんよ。。。(自戒も込めて。)

まただからといって、シミュレーションがまったく使えない、というわけではありませんので。。

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