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2010年1月

2010年1月26日 (火)

コンピューターはわからないことはシミュレーションできない!?

上記のタイトルをみた時、

「わからない現象を明らかにするのがシュミレーションなのに、それじゃ意味ないじゃん」

と思う方と、

「そんなの当たり前だ」

と思う方がいるでしょう。

まあ、この言い方が適切かどうかは議論があると思いますが、今から述べる点を理解している人とそうでない人が一緒の土俵で議論しているのが、CAEとかシミュレーションを誤解する一因になっているような気がしています。

まず言いたいことの結論を言うと、

1.コンピューターシミュレーションは通常プログラムにデータを入力して、計算します。

2.プログラムや入力データは何かしらの「モデル」に基づいて、人間が作成します。

3.そのモデルは、物理現象を定式化したものです。

4.定式化できるということは人間はその現象についてわかっているということです。
(定式化できる=わかっている、と言ってしまうことについては、確かに問題ありますが、それについてはまた後ほど議論します)

5.逆に言うとわからないことはモデル化できないので、シミュレーションできません。

わからない、というのにもレベルがあります。

具体例を挙げてみます。


その1
依頼者:「今度くる新しい材料の引張試験をあらかじめシミュレーションをしてくれ」

解析者:(なんかよくわかんないけど)「とりあえず、ヤング率とかの物性値、わかりますか」

依頼者:「バカヤロウ。新しい材料で物性値がわからないのでシミュレーションで求めるんだ」

解析者:「・・・」


物性値かそれを求められる実験値がわからないと、どうにもなりません。。。


その2
依頼者:「今度くる新しい材料の引張試験をあらかじめシミュレーションをしてくれ。こんどはヤング率はわかっているぞ。母材がプラスチックでxxGPa、ガラスがxxPaだ」

解析者:「ちょっと待ってください、複合材料ですか?」

依頼者:「そうだ。」

解析者:「ガラス繊維強化型でいいのですか?ガラス繊維は織り込んであるのですか。それから基材との割合とかその他情報がわからないと。。。わかってもヘビーなシミュレーションになるな。。。」

依頼者:「ヤング率だけわかれば何とかなるっていったじゃねえか!」

解析者:「・・・」

材料のデータをくださいと依頼者によくお願いすることがありますが、肝心の情報が抜けてたりします。。。


その3
依頼者:「今度くる新しい材料の引張試験をあらかじめシミュレーションをしてくれ。新しい合金でヤング率もわかっているぞ。」

解析者:「わかりました。」

依頼者:「シミュレーションで破壊強度をもとめておいてくれ。」

解析者:「破壊強度はシミュレーションでは求まりません。」

依頼者:「はあ?まだデータが足りないというのか。何のデータがあればよいのだ?」

解析者:「・・・破壊強度です・・・」

基本的に応力解析では破壊強度は求まりません。破壊のシミュレーションする場合は試験結果等から得られた破壊強度を入力しないとシミュレーションできません。しかし、設計開発者が一番知りたいのは破壊強度だったりします。

いずれの場合も、私はこれらに近い経験をしたことがあります。。。

わかっている方にとっては笑い話かもしれませんが、
コンピュータとシミュレーションソフトがあればシミュレーションできてわからなかったことが何でもわかるようになる、と考えている方々がまだ少なからずいるように思います。
特に現場を離れて久しい幹部社員なんかに。。。

次回はもう少しレベルの高い「わからない」話(^^;)をしようと思います。

2010年1月14日 (木)

シミュレーション理論は設計開発の役に立つか?

前回、

1.CAEシミュレーションソフトを導入して、シミュレーションを行っただけでは設計開発の役には立たない。

と書きましたが、これは大部分の方が同意していただけるのではないか、と思います。

「ソフトは買っただけではだめ、使い方を勉強しなければ役に立たない」

というのは、CAEソフトに限らず、ソフトウエアを使いこなす上で当たり前のことです。

では、

「ソフトウエアの使い方をマニュアルに沿って、徹底的にマスターすれば、CAEソフトは設計開発の役に立つ」

のでしょうか?

また、さらに、
「計算理論(有限要素法、差分法などシミュレーションに使われている計算理論)をマスターすれば設計開発の役に立つ」

は、どうでしょうか?

加えて、

「材料力学、固体力学や流体力学などバックグラウンドにある理論をマスターすれば設計開発の役に立つ」

はどうでしょうか?

私はこれらすべてマスターしたとしても、まだCAEが設計開発の役に立つというには不十分だと思っています。


何が不足しているかというと、解析対象である”もの”と”現象”をしっかり見るということです。

これを行わないと、適切なモデルを作成することが不可能ですし、

オペレーションや理論以前の基本中基本のことだと思います。


こうして文書にして書くと、「そんなの当たり前だ。」と皆さん思われてると考えますが、

実際それがきちんとできているか、という話になると、私の周りを見渡す限りいろいろ議論するところがあるように思います。

シミュレーション理論は設計開発の役に立つか?

前回、

1.CAEシミュレーションソフトを導入して、シミュレーションを行っただけでは設計開発の役には立たない。

と書きましたが、これは大部分の方が同意していただけるのではないか、と思います。

「ソフトは買っただけではだめ、使い方を勉強しなければ役に立たない」

というのは、CAEソフトに限らず、ソフトウエアを使いこなす上で当たり前のことです。

では、

「ソフトウエアの使い方をマニュアルに沿って、徹底的にマスターすれば、CAEソフトは設計開発の役に立つ」

のでしょうか?

また、さらに、
「計算理論(有限要素法、差分法などシミュレーションに使われている計算理論)をマスターすれば設計開発の役に立つ」

は、どうでしょうか?

加えて、

「材料力学、固体力学や流体力学などバックグラウンドにある理論をマスターすれば設計開発の役に立つ」

はどうでしょうか?

私はこれらすべてマスターしたとしても、まだCAEが設計開発の役に立つというには不十分だと思っています。


何が不足しているかというと、解析対象である”もの”と”現象”をしっかり見るということです。

これを行わないと、適切なモデルを作成することが不可能ですし、

オペレーションや理論以前の基本中基本のことだと思います。


こうして文書にして書くと、「そんなの当たり前だ。」と皆さん思われてると考えますが、

実際それがきちんとできているか、という話になると、私の周りを見渡す限りいろいろ議論するところがあるように思います。

2010年1月 4日 (月)

CAEシミュレーションは役に立つか?

あけましておめでとうございます。

さて、今年もいろいろ書きたいことはあるのであるが、その前に私の中で前提になっていることを書いておきたいと思います。

これらは、なにをいまさら当然の常識を書くのだ、といわれる方も多いとは思うのですが、

まだご存じない方も少なからずいるのでは、と思う経験をしたことが何回かあるので、書いておきたいと思います。

その前提とは、

1.CAEシミュレーションソフトを導入して、シミュレーションを行っただけでは設計開発の役には立たない。

2.有限要素法などのシミュレーションの理論に詳しくなっても、それだけでは設計開発の役には立たない。

ようは、CAEを使うことにより開発期間の短縮や、高性能高機能の製品ができたなどの効果、いわいるアウトプットを出さないと意味がないということなのですが、どうもまだ混乱しているところがあるようです。


1については、単純にコンピューターが計算するんだから正しいだろうと思っている方がまだいらっしゃるということです。

こういう方は、逆にシミュレーションの結果が実際の実験結果と1%でもずれていると、今度はシミュレーションはぜんぜん正確ではない、シミュレーションは全く使えない、となってしまうことが多く、シミュレーション屋さんからすると非常に厄介です。。。。


2については前回も書きましたがやたら難しい理論やモデルの話をしたがる方です。難しいことを言って煙に巻くというある意味テクニックがあるので、これまた厄介です。


まあ、会社でも上の方はこういう方はいまひとつ使えないというのを知っていて、てきとうに扱っている場合も多いのですが、こういう方と一緒に仕事しなければならなくなった場合非常に迷惑をこうむることがあります。。。

迷惑をこうむるのは我慢すればよいのですが、一番もったいないのはせっかく投資したCAEがいまひとつ利益に貢献しないということになってしまうということだと思います。

また当人は悪気はなく、これが会社の役に立つと思っているので、それもまた厄介なのですが、一番の問題点は当人たちがそう思ってしまう環境が存在するのではないか、ということです。

続きはまた次回

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